たまにはマグロ屋らしいお話を。
最近では回転すしで見かけることの多くなった「ミナミマグロ」。
クロマグロ(本マグロ)と並び脂の乗りが良いことで知られています。
南半球にしか生息せず、遠洋漁業開拓時には、
インド洋が主な漁場であったため「インドマグロ」とも呼ばれます。
実際、今日でも市場関係者の間では「インド」で扱われています。
ちゅんごがこの業界に入った20数年前には冷凍の天然モノがほとんどで、
高級すし店の看板ネタとしての扱いが主流でした。
つまり、高級品。
クロマグロに比べて魚体は小さいのですが、
トロ身の脂はキメ細やかで甘みが強く、赤身はルビーのように透明感があり、
クロマグロのように酸味や渋みが少なく、
旨味も香りも上品なところから「マグロの女王」とも呼ばれます。
それがどうして回転すしで気軽に食べられるようになったかといえば、
オーストラリアでの養殖が軌道に乗り生産量が安定してきたからです。
1990年代に日本の技術支援で始まった豪州ミナミマグロの養殖事業は、
2000年代に天然資源の低下で漁獲規制が強まり、
池入れの未成魚調達が思うようにできませんでしたが、
2010年代に入り資源の回復基調で漁獲枠が徐々に増やされてきたのが要因です。
日本への搬入量が増えてくると値段も安くなってきて、
回転すしでも扱いやすくなったのです。
ちゅんごの会社では天然ものしか扱っていませんが、
仕入れの際には、お客様の要望に応えるため、
一本ずつサンプリングをして身質を見極めています。
例えばコレ↓

3mmほどに薄くスライスして解凍し、冷蔵庫で寝かせて、
身質や味、色持ちなどをチェックしています。
指で持っている部分は皮ですが、よ~く見ると網目のようになっています。
クロマグロにはこの網目がなく一帯の皮です。
業界でもあまり知られていないミナミマグロの特徴かな?
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そーだったんですか。
美味しいマグロをいっぱい食べたいナー。
と山人は思います。
よいものに出逢えるととても嬉しいです。
近年は空輸の生鮮インドが夏場に出回るので、
どこかで食べる機会があればよいですね!