23日に第3回阿波再興フォーラムが鳴門市大麻町で催されました。
テーマは「中国雲南省調査報告会」
阿波文化のみならず日本文化のルーツは中国雲南省にあることを
今年3月に調査訪中した、
ちゅんごの歴史の先生である
林博章氏から調査報告がありました。
そこで見つけたものは、日本の食文化の中で米飯とともに
最も日本食らしいと考えられる「お茶」の原点でした。

***** 竹筒にギッシリと詰められたお茶っ葉 *****

***** 竹筒の中を覗くと *****

***** 食べる茶 竹筒酸茶 *****
今回の調査で林先生が入手してきたお宝「竹筒酸茶」
これはまさしく阿波番茶の原点です。
一般的な番茶の定義とは
「十分に成長して硬くなった茶葉を使用してつくられたお茶...」
つまり新茶で玉露や煎茶用の葉を摘み取ったあとに採集される
2番・3番の硬くて香りの薄い2級品の事を番茶と定義しています。
ところが阿波番茶は普通の番茶とは似て非なるものなんですよ!
阿波番茶は一番茶なんです。
何故、新葉でなく固くなった本葉でないといけないかと言えば、
発酵工程が製茶の重要な要素だからです。(新葉だと発酵に耐えられない)
番茶とは摘み取りの順番の【番】から派生していますが
阿波番茶は、
ちゅんご視点では【晩】つまり季節的に遅く収穫した
と言うのが正解です。
中国南部のプーアル茶と同じ「後発酵茶」で、漬物のように作ります。
① 新葉は摘まずに7月中旬まで待ち、十分に成長させてから、
年に一度、一枝ごとに葉を削ぎとって収穫します。
② 沸騰した大きな釜に茶葉をいれ、さっと籠茹でする。
③ 発酵を促すために茶すりと呼ばれる人力の機械で擂り潰す。
④ 茶すりした茶葉を杵でついて空気を抜き、樽に固く組め込む。
(嫌気性の乳酸菌なので)
⑤ 芭蕉の葉で覆い隠して、何百キロもの重石をがっしりと効かせ、
茶葉の煮汁を注ぐ。
⑥ 翌日ぐらいから発酵が始まり、ぶくぶくと気泡が立つ。
⑦ 約2~3週間漬ける。
⑧ 樽から取り出して2日ほど天日に干す。⇒出来上がり。
以上、世界的にも珍しい特殊なお湯なんです。
発酵茶特有の乳酸菌によるほのかな酸味と清涼感が特徴ですね。
緑茶と比較して
体内の免疫力の向上、血圧の安定、疲労回復、抗菌作用などに
秀でているようです。
そしてカフェインがほとんど無いので不眠の心配もありません。
徳島では赤ちゃんの授乳後の口内洗浄やお尻のかぶれに活用します。
この晩茶に代表されるように、日本の文化の源流は
「照葉樹林文化」がルーツであることに疑いの余地はありません。
その文化の典型が発酵文化なんです。(茶はツバキ科、つまり照葉樹林)
豆腐・納豆・漬物・ナレ寿司・味噌など日本の食文化の源流がすべて
この文化圏に存在しているものです。
さらに、
茶は世界で2つの発音しかなく「チャ」か「ティ」です。
どちらも中国での呼び名ですから中国が原産地なのは
疑う余地がありません。
やっぱり日本の文化は中国南部から海洋民族によって
伝承されたものなんですね!
ちゅんごの弁当袋には毎日、阿波晩茶を煮出したのが
使いまわしの500mmペットボトルに2本入ってます。
だから元気な訳だ!
では何故、その日本文化の源流が四国にしか残っていないかと言えば、
話しが長くなるので、また今度にします。
