昨日は徳島市から30分ほど四国山地の山間に入った
神山町での「オオゲツヒメ フォーラム」に参加してきました。
パンフより
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オオゲツヒメとは、阿波国の国神たる女神であった。
『古事記』上巻の「天照大神と須佐之男命」条「大気都比売神」項には、
「食物を大気都比売神に乞ひき。ここに大気都比売、鼻・口また尻より
種々の味物を取り出して、種々作り具へて、進る時、速須佐之男命その態を
立ち伺ひて、穢汚して奉進るとおもひて、すなわちその大気都比売神を殺しき。
かれ、殺されし神の身に生りし物は、頭に蚕生り、二つの目に稲種生り、
二つの耳に粟生り、鼻に小豆生り、陰に麦生り、尻に大豆生りき。
かれ、ここに神産巣日の御祖命、これを取らしめて種ど成りしたまひき。」
とある。
須佐之男命によって殺された大宜都比売神の死体からは、
頭より蚕、二つの目から稲の種、二つの耳から粟、鼻から小豆、
陰部から麦、尻から大豆が生じたのである。
このようにオオゲツヒメは、日本の穀物起源伝神話の代表格となる
大地母神であり、別名、大粟姫、御食津神、伊勢神宮の外宮に祀られる
豊受大神と同一神とされ、神代から現在に至る日本人の食と命を
守ってきたのです。
そのオオゲツヒメは、徳島県名西郡神山町神領の大粟山の
「上一宮大粟神社」の祭神として祀られ、
阿波国の由来となる「粟(あわ)」、粟国を拓いた忌部氏が植えた「粟」
とも深く繋がっている。
オオゲツヒメは、日本の食文化の継承や食糧の安全安心に関係する危機が
叫ばれる中、日本人の行く末を見守っているのである。
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上一宮大粟神社に伝わるオオゲツヒメのお姿です。
粟(あわ)の穂を抱いています。
日本の食べ物の神様らしく、ふくよかなお姿です。
徳島が阿波国と呼ばれる以前は「粟国」と記されてきたのは、
オオゲツヒメの祀られる大粟山に信仰・祭祀・政治の原点が
あったからでしょうか?
縄文時代に遡る農耕の起源は、焼畑から始まっており、
稲作以前の焼畑では粟がもっとも重要な作物だったようです。
縄文時代に大陸からさまざまな文化とともに伝来した
女神信仰のルーツが見えてきます。
その当時は食物ほど大切なものはなく、
弥生時代終盤から古墳時代にかけて阿波国の忌部集団が
技術とともに諸国へその信仰を波及させていったのでしょう。

まずは、上一宮大粟神社で祝詞と御祓いから始まりました。
この神社の祭祀は形が決まってなく、そのときの状況に応じて
宮司が進めるのだそうです。
火や剣、太鼓・鳴り物などを駆使した全国でも珍しいものだそうです。
何度も何度も御祓いがあり、ちゅんごのような愚人でも
少しは清められたように思います。ありがとうございます。
昼は場所を神山町農村環境改善センターに移動して
今回のプロジェクトの実行委員長でもある
農家レストラン幸福家の中谷さんが作ってくれた
「大宜都比売神弁当」をいただきました。


地元の食事にこだわった、何とも嬉しいお弁当です。
このお弁当は予約をすれば食べられます⇒090-5270-8277
午後は阿波歴史民族研究会の林博章先生による記念講演と
シンポジウムが開催されました。
詳しい内容はこちら⇒
すえドンさんのブログ夜も県外の方を交えて「農家レストラン幸福家」で交流会があり、
夜遅くまで美味しいお酒をいただきました。
オオゲツヒメプロジェクトの今後の展開が楽しみです。
新しい徳島のブランドにまで発展させられるように
ひとりでも多くの方の協力がいただけますように・・・
